トラックバックURL: | http://jemi.s5.xrea.com/mt/mt-tb.cgi/81 |
2-7. Step Into The Gallery / Micatone from "Nine Songs"
やっと辿りつけた。このレビューを続けたのはこの曲のことを書きたいが為だ、と言っても過言ではないくらい、大好きな曲です。
ミカトーンはドイツのソナーコレクティブが輩出したNu-Jazzの大本命ユニット(と勝手に決めた(^^;)。名前を聞くと可愛らしい印象ですが、サウンドはそんな印象を覆すような洗練された音。
アルバム中でStep Into The Galleryの出来は特に秀逸です。リズミカルでパーカッシブなRhodesと、心地良い低音を鳴らすウッドベース、そしてスピーディで乾いたリズムが、やや気の抜けた感のあるボーカルを支えます。そのアレンジはいたってシンプル。余計な贅肉を落とし、試合に臨むボクサーのよう。
正直な話、"Nine Songs"を聴き、しばらくしてからこの曲の魅力に気づきました。そういう意味では一度で人を魅了するような曲ではないのかもしれません。ただ聴き流しているだけでは、この控えめともいえる曲のアレンジは、文字通り流れるように過ぎ去ってしまう。
Rhodes、ウッドベース好きに是非聴いて欲しい。人力感のプンプン漂う、ジャズステップ作品です。
どんな曲だか気になった方は、こちらで試聴できます。他にはTranqulio、Play Mobile Soldier、Runがオススメです。このアルバムを一言で言い表すならば、それは「傑作」です。