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3-12. Sorcery / Big Band Katovice from " Between or Beyond the Iron Curtain"
(2004.1.12 - 18:17 改訂)
音楽に国境はないと信じています。かつて、鉄のカーテンが下ろされていた、冷戦真っ只中の70年代、東側諸国の西側への音楽流通事情はどれほどのものだったのでしょう。そう言った分野には素人ゆえ、想像の範疇ではないのですが、このCDは冷戦が終わった現在だからこそ、リリースすることが出来たのだと思います。
" Between or Beyond the Iron Curtain"は、ポーランド、旧チェコスロバキア、GDR(German Democratic Republic、ドイツ民主共和国=旧東ドイツ)のレアグルーヴを集めた、非常に興味深いコンピレーションです。
旧共産圏のレアグルーヴ。なんともミステリアスな雰囲気があります。
今回取り上げたのはポーランドのBig Band Katovice。キース・ジャレット作のSorceryのカバー曲です(おれは原曲は未聴です)。エレキギターソロの音色がいかにもロック的でカッコいいこの曲を、(あえてここでは)ジャズロックだ、と表現させてもらいます。
Big Band Katoviceですが、詳細なプロフィールはワカリマセン。Katoviceは南ポーランドの地名だそうです。そして、コンピレーションのライナーノーツによると、今も元気に活動中だとか。
その他のポーリッシュジャズでは、Novi Singer'sが有名です。彼らの曲は同コンピレーションにも1曲収録されています。また、JCR(Jazzanova Compost Records)より、ポーランドのレアグルーヴジャズコンピレーション、"Go Right: Jazz from Poland 63-75"がリリースされています。こちらもあわせて聴くと面白いかもしれません。(Novi Singer'sの曲が大半です)
話を" Between or Beyond the Iron Curtain"に戻します。
今回、久しぶりにこのCDを改めて聴き直しているんですが、非常に高いクオリティです。
bounty / Gustav Brom(1977年チェコスロバキア)
divka s jablky / Mahagon(1978年ポーランド)
probuzeni / Jazz Celula(1976年チェコスロバキア)
a dance / Martin Kratochvil's Jazz Q(1977年ポーランド)
特にこの4曲が気に入ってしまいました。
それにしても、70年代近辺のヨーロピアンジャズは面白いなあ。生真面目に「ジャズ」してないところが最高です。