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火に油を注ぐつもりはないのですが、目についたので取り上げます。
この河口恭吾の「桜」という曲と、徳永英明の「僕のそばに」の一部のフレーズがとてもよく似ていると言う話題です。
「よく似ている」のを気付かないままリリース(気付いていたかもしれないが)してしまい、後で突っ込まれる、よくある話ですねー。
これは河口と徳永の間だけの話題ではない、音楽業界では割と一般的とも言える事例であると思います。
以下は個人的な見解です。
強いて言うならば、徳永の曲と類似している曲をリリースした、河口陣営のチェック体制のツメの甘さが露呈したのではないか、と思います。
一部フレーズが似ている事例で、おれが真っ先に思いつくのは、BEGINの「恋しくて」と松田聖子の「スイートメモリー」の関係です。おれが初めて「恋しくて」を耳にしたとき、真っ先に思い出したのが「スイートメモリー」でした。でも、自分の周りでは誰もそのことに突っ込まないので、あまり皆気にしていないのかなとも思いました。おそらく気にしているのはおれだけだろうと。もちろん、おれが抱く、BEGINに対する印象はこの曲で悪くなりました。しかもこれ、彼らのデビュー曲なだけに最悪です。
この頃は怖いインターネットもありませんでした。いい時代でした。もし、この頃から怖いインターネットが発達していたら、間違いなくBEGINはネット上のどこかで叩かれたことでしょう。確信はありませんが、そう思います。
河口恭吾という人もタイミングの悪いときに似た曲を出してしまいました。しかも、じわりじわりとヒットして多くの人にその存在が知られてしまうんですから、なおさら運が悪い。
おそらく、彼自身、「似せた」つもりはないと思います。仮に確信犯だったとしても、アーティストとしての自分の尊厳を守る為、まさか「似せた」などとは言えないでしょう。また、同時期に森山直太朗の同タイトル「桜」がリリースされたことも、話題作りに拍車がかかったという意味で、少し災いしているような気もします。
結論は、先に書いたように「河口陣営のツメが甘い」、これに尽きます。
おれが好きなプリンスというアーティストの逸話を紹介します。80年代の話です。恐らく事実です。
プリンスは自曲をリリースする際、その頃のバンド、「レボリューション」のメンバーであったウェンディとリサに出来上がった曲を聴かせ、自分の過去の曲に似てはいないかチェックさせていたそうです。そして、少しでも似ていたらそれはどんなに気に入っていて良い曲だとしても、お蔵入り。
自分自身の曲との比較ですから、あまり例え話にはならないでしょうが、著名なプリンスでさえ、ここまでやっているんです。もっとも、この頃はプリンスの全盛期と言われた時期であり、常に革新的な音楽を創造しつづけていましたし、それを期待されていました。下手に誰かに突っ込まれるわけにもいかないという事情があります。単純に比較は出来ません。
しかし、こう言ったことを実際に実行していたアーティストも存在したということです。また、この例は作った曲に対し、客観的な判断を自分では下せないということの証明であるとも言えるでしょう。
河口恭吾自身が悪いとは思いません。実際にこの「桜」が完成したとき、彼はいける!と思ったはずです。ただ、リリース前、せめてシングルカット前にもうすこし第三者が指摘してくれれば良かったね、運が悪かったね、と言いたい。
今回、あえてトラックバックはしないでおこうと思います。
と思ったけど、なんだか、卑怯な感じがするからトラックバックしちゃおーっと。
(追記)
河口さんもハナから徳永さんのファンだと公言していれば、あるいはオマージュ、リスペクトとして受け取られたかもしれない。
かつて、XTCのアンディ・パートリッジは"Oranges & Lemons"というアルバムで、大好きなビートルズの確信犯的なパクリ(とは言えないが、ここではあえてこの言葉を使います)を展開しました。似ているようで似てない、ビートルズを自分なりに消化した結果をアルバム上で再現したのです。
プリンスに対する岡村靖幸にも同じことが言えますね。
そいういった観点で考えると河口さんは、アーティストしてまだ若かった、ということになるのかもしれません(何を偉そうに!ww)。いや、それ以上に周りをとりまくブレーンに恵まれなかったのが、今回の件での最大の不運だと言える、のかな??
余談:
カジヒデキのラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~が、"Oranges & Lemons"2曲目のMayer of Simpletonと激似だそうです。どの程度似ているか聴いてみたい。
↓ここでさわりだけ聴くことが出来ました。
http://www.polystar.co.jp/contents/artist/database/kaji.html
うーん、似ているといえば似ているなあ。パートリッジ親父とカジヒデキとじゃ声質に差があるから、言われてみるとって感じです。